このインタビューでは、Turn Cloud TechnologiesのCEO兼創業者のVincent Liang氏、エキスパートであるインジェニコVPチャンネル開発のBoris Ferletと討論して頂き、Androidとクラウドは、商業の新しい世界において店舗にどう役立つのかお話を伺います。
1.店舗が直面する主な課題とは何でしょうか?ご意見をお聞かせください。
「技術はあらゆるサイズの店舗にとってその業務を効率化し、より良いエクスペリエンスを顧客に届けるツールですが、正しいソリューションを見つけるのは困難です」
「Vincentは最善の技術を選び、利用するという店舗の課題について言及しました。決済を色々な形で行うことになり、物事がより複雑になりました。現在消費者が使用可能な方法は、カードからデジタルウォレット、QRコード、更には顔認証まで多くあり、顧客は自分が好ましいとする決済方法を店舗が受け付けることを望んでいます。これに加え、規制やコンプライアンス、決済やデータのトータルセキュリティの必要性もありますので、店舗が直面する複雑さについてはお察し頂けると思います」
2.POSや決済技術固有の課題とは何でしょうか?
Boris Ferlet:「POS技術に注目して見ると、状況は店舗のサイズによって非常に異なります。大型の小売業者は、通常非常にカスタマイズされたソリューションを有し、自社のビジネスアプリケーションを導入する傾向があります。そして通常技術を利用して新しいサービスをPOSで提供することができます。一方、中小の店舗は、技術を最大限利用して事業に役立たせ、変わっていこうとします。技術は、特にクラウドベースのサービスを介して、だんだん手の届き易いものになってきていますが、より規模の小さい店舗では、トレンドに付いて行き、自分達にとって適切なソリューションを選ぶのは容易ではありません。
決済を個別にフォローアップするのも店舗にとってもうひとつの課題です。現在消費者が使用可能な方法は、カードからデジタルウォレット、QRコード、更には顔認証まで多くあり、顧客は自分が好ましいとする決済方法を店舗が受け付けることを望んでいます。また、店舗は、突き合わせとクロスチャンネル取引を可能にするビジネスアプリと決済との緊密な統合を必要しています。これに加え、規制やコンプライアンス、決済やデータのトータルセキュリティの必要性もありますので、店舗が直面する複雑さについてはお察し頂けると思います。
従来より、技術により店舗はその業務を向上させ、よりよいエクスペリエンスを顧客に提供できるようになりましたが、店舗は、ターンキーソリューションと、事業にとっての最善と決済とを合わせることができるサービスを必要としています」
Vincent Liang:「私たちの顧客はあらゆるサイズの小売業者と店舗です。私たちはお客様のニーズを業者と店舗です。私たちはお客様のニーズをよく理解していると言えるでしょう。ボリスさんのコメントの繰り返しになりますが、店舗にとって最も困難なのは決済とビジネスソリューションの統合です。店舗は従来、銀行からPayment Terminalを、他のプロバイダーからPOSを受け取り、このふたつは統合されないか、統合したとしても限定的でした。なので、買い物客との新しいデジタルインターアクションをサポートする上でのフレキシビリティは限定されていました。
これにより、店舗は縦割り的に2つの別々の環境を管理しなければなりませんでした。インジェニコと弊社とのパートナーシップを介して、私たちはこういった課題を解消することができ、クラウドの力とAndroidのフレキシビリティを利用して、店舗に弊社のサービスが補完しあう単一の統合したソリューションをもたらしました。そのソリューションは、統合されたAndroidベースのPOSシステム、店舗アプリケーションのフルセット、そして統合された決済を含んでいます。私たちは力を合わせて、店舗がどこからでも店舗の活動を追跡できるようなフルソリューションの遠隔管理を可能にしました。そのようなソリューションを備えたお客様からの非常によいフィードバックを頂いているので、技術を適切に組み合わすことが店舗にとって重要だということがわかります」
3.Androidとクラウドはどうやって店舗により進んだソリューションを提供するのでしょうか?
Vincent Liang:私たちはAndroidとクラウドを組み合わせた時の価値を信じています。実際、私たちは会社をターンクラウドと名付けています。私たちは実店舗のアクティビティをオンラインに変え、クラウド化することを目標としているからです。
クラウドの利点から始めましょう。小企業ではIT投資に回す予算は限られており、すぐに使用可能な手頃な価格のソリューションを求めています。クラウドベースのアプリケーションを介して店舗はストアシステムの投資を減らしつつ最新のサービスや技術にアクセスでき、さらにオンデマンドサービスも開始できます。また、クラウドシステムはどこからでもアクセスできるので、店舗から離れていても、リアルタイムで事業を行い、モニタリングすることができます。
では、Androidについて見てみましょう。オペレーティングシステムとして、Androidは元々クラウドベースアプリケーションと動作するように設計されています。店舗にとって、これは必要なアプリを、標準のソフトウェアでもカスタマイズされたソフトウェアでも、選んで起動し、素早くPOSに展開できるということを意味します。また、AndroidをPOSシステムに使用することは非常に合理的です。Androidは有名でユーザーフレンドリーですし、店舗も消費者もよく知っています。店舗スタッフにとっては、学習カーブは非常に速いものになります。これは、店舗にとっては訓練コストの節約になります。また、従来のPOSシステムと比較し、Androidデバイスは一般に検査プロセスがよりシンプルで、必要な現場作業や再作業を減らすことができ、両方で導入時間とコスト、店舗スタッフへの影響の削減を助けます。
中小の店舗は、大型小売企業ほどの資金がないので、弊社が新しいソリューションを導入する時はいつも、導入を非常に素早く、低コストで行えるようにすることを念頭においています。Androidとクラウドは間違いなくこの目的に叶います。
私たちの故国台湾は非常に技術が進んだ市場で、消費者は非常にデジタルショッピングエクスペリエンスについて熱心です。決済と事業のアプリケーションをすべてインジェニコのsleek C9 Android POSにまとめて、クラウドとAndroidが店舗とデジタル消費者両方からの期待に応えることができることを証明しました。これは、私たちのソリューションを、デジタル世代の人口が増え続けているアジアの他の地域に展開する上で、私たちにとって素晴らしいテストの場となりました」
Boris Ferlet:「従来の店舗システムと比較し、AndroidとクラウドをベースにしたPOSソリューションは、可能性の世界への扉を店舗に対して開きます。現在インターネットはどこでも利用可能なので、店舗は、何千ものアプリケーションの中から選んでPOSでより多くのユースケースを可能にして顧客とのエンゲージメントを向上することができます。
決済面では、決済周りに必要なセキュリティのため、現在までフェンスド環境でした。PCI認定されたAndroid環境のお陰で、従来のPayment Terminalと同じ厳しいセキュリティレベルを提供しつつ、Androidデベロッパーコミュニティの力を利用できるようになりました。店舗はAndroidのオープンネスの利益を享受して、セキュリティを犠牲にすることなく、適切に統合した構成において事業アプリケーションと決済アプリケーションを実行することができます。消費者は、自分の支払いに使用するソリューションを信頼できないと、購入を止めてしまうでしょう。コンバージェンスが信用がおける環境において一緒に作用するようにすることが重要です。
クラウドと、事業アプリと決済アプリの両方の集中化により、消費者の期待が高まっているクロスチャンネルのユースケースが可能となります。対人の接客とオンラインの接客の両方の能力は、店舗は競争でリードするのにも役立つでしょう。新型コロナのパンデミックの状況での実例では、多くの店舗が閉店したので、その一部は、店のPOSから直接管理できたオンライン注文を可能にしてロックダウン中に変化することができました。実際、ほとんどの中小の店舗はEコマースのフロントエンドを有していません。クラウドベースのサービスを介して、私たちは店舗がそのPOSシステムからオンラインで注文を取るのをお手伝いしているのです」
Vincent Liang:実際に、新型コロナのアウトブレイクは小売業界の状況を完全に変えてしまいました。私たちは店舗の損失を最小限にするために素早く対応する必要がありました。私たちは店の内外でサービスとモビリティユースケースを開発することで店舗をアシストしました。これは、集中化した、オールウェイズ・オンである弊社のサービスとインジェニコのAndroidデバイスのフレキシビリティが可能にしたのです」
4.小売業の未来についてはどう見ていますか?
Vincent Liang:「私は、ショッピングの未来は、技術がより良い、個人化されたエクスペリエンスを購買者に提供できるかにもっとかかってくると思います。これは、店がその顧客の好みをもっと理解できるように助けるデータや機械学習、人工知能を先進的な形で利用することで可能となるでしょう。そうすれば、店舗は適切なショッピングジャーニーとロイヤルティープログラムを開発できるでしょう。クラウドの能力のお陰で、これら先端技術はより規模が小さい店舗にも利用可能になり、大型小売業者の特権ではなくなりました」
Boris Ferlet:「賛成です。付け加えるなら、ショッピングエクスペリエンスのデジタル化は加速するだろうという点です。決済は、キャッシュレスに進化し続け、店舗と消費者の間のフリクションレスインターアクションに進化し、最終的には実際のショッピングフローでは不可視になるでしょう。実店舗チャンネルとデジタル店舗チャンネルの間のボーダーは完全に消えて無くなり、シームレスな一貫性のあるカスタマージャーニーを提供するようになります。Eコマースは更に成長し、そしてそのトレンドパンデミックの環境下では実際に加速するかもしれません。しかし、実店舗は、セルフサービスのカスタマータッチポイントからショウルーム化やクリック&コレクトサービスなどのより進んだエクスペリエンスを提供するように進歩し、多くの小売業で店にとって重要なものであり続けるでしょう。
良いニュースとしては、未来の商業を今築いているということで、この変化が速い環境において成功するように店舗を助ける技術があることです。